『砂漠』 * 伊坂 幸太郎 | うたかたおもひ

『砂漠』 * 伊坂 幸太郎

著者:伊坂 幸太郎
タイトル:砂漠

今、一番直木賞に近いはずの作家が

青春小説を書いた!!

それもあの『チルドレン』の作家!

となってはもう、読まないわけにはいきません。


以前、読んだ『死神の精度 』のときにも触れたのですが、

わたしは彼の『チルドレン』という小説がだいすきなのです。


舞台は仙台

国立大学生の4年間。


ダイジェストのように四年間をまとめているので、

なんだか全体的に色素が薄い感じにしあがっています。


タイトルの『砂漠』にまつわるエピソード

もう少し踏み込んでもらえたら嬉しかったです。


軽めに軽めに進んでいって

時に語り口調は村上龍の『69』のよう。

なんてことはまるでない。

いや、あるよ。


こんなに色薄なのは、

なんだろう?と考えてみたら、

青春に必要な切なさが足りないのでした。

かっこわるさ

惨めさ

ダメな感じすべてをひっくるめての

切なさがこの小説には足りてなくって、

青春のあの色鮮やかさが欠けてしまっているのです。


ちょっぴり残念


その中でも唯一よかったのが、

主人公のおともだち、西嶋くん


わたしの中では完全に

カーティス・メイフィールドやジョン・レノンに向かって

そのぬくもりに用がある!!」って

ギターかきならしているあの人