『藍の空、雪の島』 * 謝 孝浩 | うたかたおもひ

『藍の空、雪の島』 * 謝 孝浩

著者:謝 孝浩
タイトル:藍の空、雪の島

生き抜くということ。


そのことについて教えられた作品。


ポル・ポト政権カンボジア

少年期を過ごした男の子の物語。


図書館で背表紙を見たとき、

ふと、手にとってしまいました。

なにも考えずに借りた、この本。


開けば、

そこにはわたしが知りたかったことが書いてありました。


卒業論文のテーマを

カンボジアに見据えたわたしにとって、

この一冊と出会えたことはなによりも嬉しかったです。


わたしは、

日々を暮らしてはいれど、

日々を生き抜くということを知らない。

知らなかったんだ、と気づかされる。


ごはんを食べて

あったかい布団で眠って

そういう、日本むかし話のエンディングの曲みたいな

そういう当たり前のこと。


いくら、授業や教科書で習ったって

わかっているつもりでも、

なかなかしみこんでこない感情。


それがこの本には書いてありました。


少年はいくつもの偶然に助けてもらって

しっかりと生き抜きます。


でも、現実には

そうならなかった少年何万人もいたんじゃないだろうか。


アソックという少年が登場する。

彼のことを思うと

もう、どうしていいのかわからなくなる。


いくつもの矛盾を抱えて。


を守ろうとした結果、

愛を失ったり

愛を壊してしまったり。


いくつもの矛盾を抱えて。


信じた道を歩んで

信じた道を踏み外すんだ。


いくつもの

いくつもの矛盾を抱えて。


ほんとうに

神様がるのなら

世界はどうしてこんなに矛盾にあふれているんだろうか。


それを神様のせいにしてしまいたい

わたしは

なによりも卑怯で矛盾を抱えているんだ。


夢を見るにもほどがある。

私は馬鹿だ。

ぶっ殺してくれ。


ラスト3行は引用。

 毎日新聞 「想い事。 」より Cocco