うたかたおもひ -7ページ目

ぽっかり。

今日はぽっかり、空いた日。

ご無沙汰していた場所へ遊びに行ってみました。


やってきました、下北沢


下北沢といえば、

駅前開発などいろいろ話題はありますが、

わたしにとってはフィクショネス のある街。


フィクショネスとは、

作家・藤谷治さんが営む本屋さん。


藤谷さんの新作は、

必ずフィクショネスで買うと決めています。

作った人から直接買うのが、

なんだか道理な気がしてしまうからです。


今回も去年の12月に発売された

いなかのせんきょ』を買いにお店に足を運びました。


藤谷さんは

もう、ほんとうに、猛烈なスケジュールをこなしているらしく、

作家大先生!といった感じで、

赤ワインに葉巻をくゆらし・・・・ってそんなわけなく、

いつもと同じに

本屋の店長!という感じで迎えてくださいました。

不思議なくらい気さくな方で、

「俺は作家だぜー!」みたいな

偉そうな態度など一度もとったことのない、

実にバランス感覚の良い人なのです。


もともと本屋さんであったので、

本がとても好きな方であるのは間違いなく、

先日対談されたという古川日出男さんとの写真を見せてくださいました。


そして、猛烈なスケジュールなのは本当で、

ぺらぺら話すわたしに器用につきあってくれながら、

PCとにらめっこしていました。


わたしってば猛烈に忙しい人に対して、

猛烈に仕事を邪魔してしまっている・・・。


そんなことで

長く居座っていたお店を出て、

近くのレコード屋さんで

ビリー・ホリデイのレコードを購入。


本多劇場の下、

ヴィレッジヴァンガードをふらりと寄っていろいろ吟味。

あそこは目移りばかりして、なんだかちょっぴり疲れやすい店


帰り、南口のところで、

杉作J太郎氏を見かけた。

自作の映画の宣伝をしてらしたけれども、

なんだかへらへらしていました。

いや、もともとのお顔がそういうお顔なだけかも?

失礼???

でもみんな杉作氏を無視してたのが、

なんだかおもしろかったです

わたしも横目でチラリとみただけ。


小田急線に乗ったところで忘れ物に気がつく。

フィクショネスでいただいたお土産を

フィクショネスに忘れていっている!!!

なんて、まぁ、失礼なこと・・・。

しかもお土産自体、

頂いて嬉しいものだっただけに

自分としてもすごく残念。


急にお店から出なければ!!と

思い焦ったのがよくなっかたのかもしれません。


ああ、

今日はぽっかりに始まって

ぽっかりに終わる。

やっと、会えたわ!

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このブログで、

もう会えないのかと心情をつづったところ、

友人が見かねて奔走してくれました。


ふっふっふー!

メーテルにも

鉄郎にも

そして、車掌さんにも、

会うことができました!


ありがとう、

ふみちゃん。


インド、カトマンズ、

楽しんできてね☆★☆


こんな個人的なメッセージ

今日は締めたいと思います。

偶然にも。

昨晩、

ビールをぐびぐび飲みながら

時効警察」観てました。


時効警察


三木聡さんまた担当してくれないかな、

と思いつつ、

来週からはケラさんかな、

と思いつつ、

それにしても「フィクション」のところの無駄なこだわり

CM入るまでに読み終わらないほど、なが~くなってきたぞ、

でも、そこが好き☆

と思っていたら、


急に、

先週は『爆笑問題のススメ』を見逃していたことを思い出しました。

今週は?と思って

タモリ倶楽部がはじまる前に

チェックしてみたところ、

な、なーんと、

読み終えたばかりの

古川日出男さん


ついてるなぁ。


そういう偶然ってよくあるのです。


読めない漢字に遭遇した時、

漢和辞典で調べても出てこない・・・。

そうしたら、

たまたまバイト先で頂いた名刺にその謎の字が!!

名刺主は中国の方で、

その漢字はどうやら旧字らしい。


よく知りたい、

と強く思ったとき、

誰かがそっと教えてくれるのです。

答えは、

偶然手にした名刺の中だったり、

小説のページをひとつめくったらそこにあったりするのです。


すごく不思議な偶然


ベルカを読んで、

古川さんのことをもっと知りたいと思っていたら、これだもの。


番組はゆうことなし

面白かったです!

『ベルカ、吠えないのか?』 * 古川 日出男

著者:古川 日出男
タイトル:ベルカ、吠えないのか?

シャッターを2度押したように

瞬間の景色を

多数、描写する文章

それらによってつづられる、

軍用犬クロニクル


という、

活字という、

文章という媒体をうまく使いきった作品。

映像だと、こうは楽しめないはず。


犬を飼っている私には、

ベルカ、ストレルカ以上に「うぉん」となきたくなった。


人間と一緒に暮らしてきたがゆえの

楽しさや

辛さや

運命が、たーんと描かれている。


20世紀は

戦争の世紀、

軍用犬の世紀。


犬の視点から、

20世紀を斬る


線を引かれた

朝鮮半島

ベトナム

アフガニスタンを。


人間って、

何だろう。

いつも同じことを繰り返すばかり。


目次の後、

物語が始まる前、

これはフィクションだってあなたたちは言うだろう。

 おれもそれは認めるだろう。でも、あなたたち、

 この世にフィクション以外のなにがあると思ってるんだ?

という一文がある。


順当にページをめくって目にしたときは、

強気なスタンスに面白がって笑ったけど、

物語を読み終えた今、

もう一度あの言葉を目にすると、

なんだか敵わない」と思って涙が出そうになった。


面白かった。

こんなにも面白い作品なのに、

直木賞は取れないのか・・・。

なんで?

無条件で・・・

という、バトンを受け取りました。


■Q1.無条件でトキメク○○な人を3人

猫背

ドレッド

言葉遊び、質問返しがうまい人


■Q2.無条件で嫌いな○○を3つ(ジャンルはどんなものでも)

痛い

真っ暗(ほんとうに真っ暗)

自己顕示欲が高まりすぎているときの自分


■Q3.無条件でお金をかけられる○○を5つ

無条件でってなかなか難しい。

そんなわたしは吝嗇家。

5つもあげられないや。

1つで許して。


自分がゆっくりするためのもの・こと・空間



■Q4.無条件で好きな○○を3つ(どんなものでも・・)


水の音

無駄かもしれない話

美しいと感じるもの


■Q5.無条件でバトンを受け取って欲しい5人


んー、

ドッペルゲンガールの女子!!

『ともだちは海のにおい』 * 工藤 直子 / 長 新太【絵】

著者:工藤 直子,イラスト:長 新太
タイトル:ともだちは海のにおい  

ともだちに成り立ての

ともだちから紹介していただいた本。


詩と物語とがくっついたような、

わたしにとっては

なんとも目新しい構成の本でした。


海の はじまり」という

一遍の詩からスタートします。

わたしはその詩にKO.


がすきで

お茶がすきで

くじらがすきないるかと、

太陽がすきで

ビールがすきで

いるかがすきなくじらの話。


わたしが手にとったのは、

A5サイズの少し奥行きのある本です。

上記は普通サイズですね。

表紙の色やイラストも少し違っています。

なんで変更したのかしら?

 本棚におさまりわるいからですかね?


一日に一遍ずつ

眠る前の薬として読んでいましたので、

読み終わるのに1ヶ月ちかくかかってしまいました。

ちょうど湯川潮音ちゃんのアルバムが発売された時期で、

彼女の声をBGMに読んでいたので、

今後、彼女の歌声聞いたら

くじらといるかをセットで思い出してしまいそう。



愛と笑いの夜

まさに「愛と笑いの夜」でした。
サニーデイ・サービス
愛と笑いの夜

偶然、ともだちが持ってきたこのCD

夜通しかけて、

ん~、具体的には12時間以上・・・?

かけっぱなし。


お酒をたらふく飲みました。

女の子3人で。

ビール1パックじゃ足りないくらい。

その前にワインも1本空けてるんです。


1人ダウン

それも開始2時間後に。

残された2人。

会うのはこの日で2回目なのに。


くっだらない、

中身のうっすーーーい話を

延々と。


ずーっとくすくす笑って笑って

ひとんちの

家主はダウンした子、

 しかも彼女の同居人はこれまた風邪でダウン中

冷蔵庫を勝手にあさって、

発見したアルコールを胃に流し込んでました。

なんて自由気儘だったのでしょう。


もうじき、

春風舞うかなぁ。


やっぱりサニーデイの「白い恋人」は強敵

頭っから、離れない

今夜は「東京」聴いて眠ろう。


愛と笑いの夜。

サニーデイのあの曲たちも、

愛と笑いをわたしにくれたあの子たちも、


みんなみんな

愛と笑いを

ありがとう

もう、会えないの?

いそいそと、

うきうきと、

わくわくと、


そりゃあ、もう

スキップしかねる勢いで


郵便局に行きました。


銀河鉄道999 の切手シートを

買いに。


発売は2月1日。

発売3日で売り切れました

って、そりゃないよ。


わたしが

どれだけ楽しみにしていたことか。


メーテル、

鉄郎、

そしてなにより、

車掌さん・・・。


わたしたち、

もう、会えないの?

『よろづ春夏冬中』 * 長野 まゆみ

著者:長野 まゆみ
タイトル:よろづ春夏冬中

調べてしまいました。

何って、タイトル


読めます???


背表紙にはふりがな。

「春夏冬中」に「あきないちゅう」。


ああ、まただ。

いつもの知らない言葉

知らない四字熟語

知らない慣用句・・・。


だと思ってました。

いつもお世話になっているCASIOのEX-word

広辞苑で検索。


いくら検索しても出てこず・・・。

でも、気になってほっとけない


春夏冬中

aki-nai-cyu

あきないちゅう


商い中???


ああ!

秋無い中!!!

商い中!!

春夏秋がなくって冬!


そうか、そうか。

気分は名探偵


本の中身は、

短編集。

ちょっと不思議

ちょっと甘酸っぱい


この本は図書館で

表紙のイラストを気に入って借りたのですが、

イラストと中身はあんまり関係ありませんでした。

イラストは作家ご本人が書かれていて、

和風アンデルセンのような

御伽噺寓話を彷彿させるイラストが描かれています。

擬人化された狐や猫がね。


短編集のうち、

ほとんどが恋のお話でした。

それもなんだか可哀想なくらい静か

それでいて強い


男の子男の人に恋したり

その逆だったり。

同性愛のお話なんですが、

昔読んだ『風と木の詩』という漫画を思い出してしまいました。

少年同士の恋物語って、

わたしが小学生くらいの時にはやったのでね。


そういった意味で、

とても少女マンガ的なお話でした。

『ブランコのむこうで』 * 星 新一

著者:星 新一
タイトル:ブランコのむこうで

(この作品は「だれも知らない国で」を改題したものです)

文章の一番最後に書かれた補足。

そうか、この作品、本当は「だれも知らない国で」っていったんだなぁ。

旧題の方がわたしは好みです。


第一刷は昭和53年に発行されています。

わたしの生まれる5年も前

恐るべき、ロングセラー。


わたしが手に取った文庫本は

上の画像とは違って、

平成13年のもので、

イラストが初山滋さんのものです。

かなり幾何学な模様のようなイラストです。

でも、わたしは上のやわらかな印象のイラストより、

初山さんの方がすきです。


星新一さんと言えば、

ショート・ショートですが、

この作品は長編です。


人の夢にもぐりこんでしまった少年のお話。


印象的だったのは、

主人公の少年の言葉遣い

少年は母親には砕けた言葉を使いますが、

父親にはとても丁寧な敬語を使います。

私が生まれる5年前までは、

それはとても当たり前の日常だったのかもしれません。


別段、父親が怖いというわけではありません。

実にユーモラスな会話をつくる、

やわらかい人柄の父親なのです。


人の夢の中、

深層心理の世界現実の世界との対比を

楽しむべき小説なのかもしれませんが、

わたしは親子の会話から

日本のノスタルジーに想いを馳せてしまったのでした・・・。


それにしても、

星新一って名前、

ものすごくシャープでかっこいい。

苗字と名前、

セットでかっこいい。